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床屋jazzと難病
杣澤正宣(そまざわまさのり)の病歴
1961年生まれ岩手県出身
1991年 30歳の時 厚生省指定難病「全身性エリテマトーデス」と「特発性拡張型心筋症」と診断される。2年間入退院を繰り返し何とか美容師に復帰 内科的治療を続ける。
2014年 内科的治療が限界になり、左室形成術オーバーラッピング法
(バチスタ手術)同時に冠動脈バイパス 僧帽弁形成を受ける。
2015年 不整脈がひどくカテーテルアブレーション手術と共に両心室ペースメーカーCRT-Dを入れる。現在は以前のようには身体は動きませんが美容師として復帰。
身体障害者1級





全身性エリテマトーデス(SLE)は膠原病の一つで血液の中の抗体が異変をおこし、
全身のどの臓器に病変がおきるのかわからない病気です。
私の場合は心臓に病変があり心筋症になりました。
「特発性拡張型心筋症」、現在は「虚血性心筋症」に診断は変わりましたが
皆さんも心臓移植のニュースで子の病名を聞いたことがあるかもしれません。
普通は5年くらいで移植をしなければならない深刻な状態になります。
私は奇跡的にも約15年間内科的治療で持ちこたえていました。
しかし命に係わる不整脈心房細動がおき救急搬送され、心停止の危険があり
AEDで助かりました。
診断の結果内科的治療は限外であり、壊死をした心筋を切除する手術いわゆる
バチスタ手術を勧められました。
現在日本では臓器の移植医療は始まっていますが、なんといってもドナーが
足りていないのが現状であり、仕方なく海外で移植するために自己資金あるいは
募金によって渡航するしかないのです。
そのため国内ではこのバチスタは根本治療ではないのですが対処療法として
行われています。
しかしバチスタは根本治療でなく治療効果も定かではない為、
海外特にアメリカでは禁忌の手術となっているのです。
なんといっても確実なのは心臓移植なのです。
私は移植には否定的ではありませんが、移植までは考えられませんでしたので
この手術をあえて受けることにしました。
実は30代から長年患っていることに疲れてしまって、もしかしたらこれで死ねるかも?
死ねたらいいな、でもまだもう少し生きていたいのかと複雑な心境でもありました。
医学の進歩は素晴らしいことに5年前10年前と比べると比較にならないくらい
進歩します。
札幌医科大の松井先生が考案したオーバーラッピング法で
東大病院心臓外科准教授本村先生(当時)執刀で手術を受けることに。
10時間に及ぶ大手術でした。
2014年9月手術 退院1年後左室と右室のバランスが悪くペースメーカーCRT-Dを入れ
現在に至っています。
やはり以前のようには身体は動いてくれませんが何とか仕事にも復帰しています。
根本治療でないのでまだいつ心房細動が起きるやもしれません。
余命は言い渡されていませんが、東京オリンピックまでは何とか頑張るつもりです。(笑)
床屋jazz
何しろ音楽が好きです。
jazzが好きなんです。
音楽は僕にとって生きる証生きる動機でもあります。
たぶん音楽がなければ、うつ病になって自殺さえしていたかも知れません。
若い頃からジャズをやってみたくてしょうがありませんでした。
しかし若い頃は仕事を覚えなくてならず、店を持ってすぐに病気になったので
それどころではありませんでした。
しかし、自分は明日へも知れない命、いつ突然死がやって来るやもしれません。
やりたいことは今やらないといつやるんだ。
そう思いウットベースを始めました。
ピアノの木村氏と知り合いジャズコンボで、夢であった自分の店でライブをやる
ことが出来ました。
美容室でやるライブなので、名付けて「床屋jazz」‼(笑)
介護施設にボランティアで何度も演奏もし喜んでもらえました。
2014年手術をして一番心配だったのは仕事よりも(笑)
また楽器が演奏出来るようになるか?でした。
退院後1年間はやっぱり手術を受けたのは失敗だったのかと思うくらい体力がなくなり
絶望の日々です。500mlのペットボトルすら持てない状態。
あ~もうダメだな良くならず徐々に悪くなって死ぬんだと。
しかし1か月3か月半年と徐々に回復し、もしかしたらもう一度ウットベースで
ジャズができるかもしれない。
よし床屋jazzをもう一度やれるまで頑張ろう。
1年後ついに「床屋jazz」復活です。
この身体でもう一つ挑戦してみたいことがありました。
トロンボーンです。
ウットベースは楽曲を下から支える重要な楽器で目立ちませんが面白い楽器です。
でも一度フロント楽器と呼ばれる管楽器をやってみたかったのです。
えー心臓が悪いのに何で管楽器と思われるでしょうが
手術後肺の機能が落ちてしまうのリハビリをします。
腹式呼吸で器具に息を吸って吹って吐くリハビリです。
これって管楽器と同じじゃん‼
よーしトロンボーンはリハビリだ!
リハビリトロンボーンだ‼
そしてトロンボーンでライブをやる‼が次の目標になりました。
それから半年間の練習でのライブは散々なものでしたが
2年後ついにトロンボーンで「床屋jazz」デビューです。
まだ初心者レベルのトロンボーンですが日々研鑽です。
身体は多少不自由でありますが不幸ではありません。
毎日精一杯悔いなく生きるのが正解でしょうがそうもいきません。
私は、普段ひょうひょうとしているのでそうは見えないのでしょうが
思い悩み何故こんな病気になってしまったのか?
何故私なのか?
何か悪いことしたのか?
癌のようにじわじわと余命がやってくるのと
私ようにいつくるかわからない突然死を待つのとどちらが
怖いのかなとか?
夜眠れないこともしばしばです。
以前のように依頼があればどこまでもとはいきませんが
訪問美容も3年ぶりに再会いたしました。
余命がどのくらいあるかわかりませんが
仕事も音楽も出来ることを出来るまでやるつもりな私です。
